人口減少社会に突入した日本において《海外人材による労働力確保》は切実な課題です。
労働生産人口が減っていけば国力が下がり、日本の未来も閉ざされていくでしょう。
しかし、海外人材がなかなか日本で活躍できないー。
なぜなら「日本語でのコミュニケーションが難しすぎる」から。
特に「話す」ことは、ビジネスシーンはもちろん日常生活でも不可欠でありながら非常に難しいスキルです。
にもかかわらずこれまでの日本語教育では「読む」「聞く」が中心にありました。
試験のベースは「読解・聴解」で、学習の基本は「文字・語彙・文法」の習得。
「話す」に着目した日本語教育や日本語力評価のシステムは、これまで汎用的に存在していなかったのです。
そのため、企業にフィットしやすい「日本語がわかり日常的に使える」海外人材を選考することは困難でした。
そこで、現場で通用する日本語スピーキング力のレベルを正確かつ科学的に判定するために、適切な指標に基づくテストを開発しました。
さらには、テスト結果からステップアップにつながる学習提案も行うことで、効果的に「話す」力を伸ばし、日本語を使って活躍できる海外人材を増やしていきます。
日本語会話力に特化
日常的なシーンに則した設問で実践的スピーキング能力を測定する実用性の高いテスト内容
国際的な参照枠CEFR採用
CEFRに基づく総合評価と6つの項目評価で科学的根拠にもとづく結果を表示
フィードバック重視
スキル評価に留まらず、何をどう学習すれば良いかを提案することで受験者の学習進捗をサポート
利便性
試験時間は20分。ネットワーク環境さえあればいつでもどこでも受験可能。即日受験可能。
東京外国語大学との共同研究により開発
CEFRの第一人者や日本語教育の専門家が監修した
精度の高い評価システム
東京外国語大学は、世界諸地域の言語・文化・社会に関する高等教育の中心として、また学際的研究拠点として、多文化共生を支援してきました。外国人が社会で活躍するためには、自らの考えを正確に伝え、相手と円滑に意思疎通できる発信力が不可欠です。しかし日本語力の評価は長らくインプット偏重であり、スピーキングを客観的に測定する仕組みが欠けていました。本学としては、博士課程教育と企業との接続を強め、ビジネス現場の視点を研究に生かし、また研究成果を社会に還元していくことを重要な使命と考えています。その一環として、発信技能に特化したコンピューターベースのテストを産業界と協力して開発し、受験データを共同で分析・検証していくことは、これまでにない新しい取り組みです。Japriseは、CEFRに準拠し「話す力」を定量化することを目指したテストであり、意欲ある人材の能力の可視化に向けた新たな試みとして位置づけられます。本学としては、研究成果が広く活用されることで、多文化共生の理解促進につながることを願っています。
東京外国語大学 学長 春名展生